千姫のひとりごと

千姫の日々の気づきや想いを「ひとりごと」として綴っています。目に留めて頂ければ、これも何かのご縁・・・

春の散歩

きのう天神橋筋商店街
とある古本屋で見つけた本

店頭の特売コーナーに並んでいた

いつものように
自分の気持ちが向いた店で
気持ちが向いた本を無造作に選んだ

内容を確かめたわけでもない

背表紙を見て
目に留まったものを買う

いつものようにしただけ


『春の散歩』


まずタイトルが気に入った

初めて読む作家作品

帯に書かれていた言葉にも惹かれた

―女(わたし)がだんだん深くなる―

芝木好子ってどんな女なんだろう


きょうランチを食べながら
本をパラパラめくっていたら
そのうちのめり込んでいる私がいました

こんなに美しい文章と出会ったのは
初めてかもしれない

本を読んで色が見える

文字を見ているのに
絵画展を観ているような感覚

美しい日本語

随筆を一本読むごとに
溜め息が出るくらいに贅沢な気持ちになった

休みながら読まないと
イメージが浮かび過ぎて整理がつかない

ページごとに
色とりどりの絵が表れてくるので
うっとりしてしまった


さきほど
作家の経歴を調べてみてなるほどと思った

父は呉服業を営んでおり
母は化粧問屋の生まれだとか

色に敏感なのがわかった


そういえば私も20代のころ
老舗の呉服屋に勤めていたし

そして今現在の仕事

勝手に関連付けて(笑)
なんだか親近感がわいてきた


表現力ということで
憧れの色彩を放つ文章に出会えました


そうだ私にも
私の内面が目指すものがあったね

銀の鈴音が聴こえるような絵』

いつか描けたらいいな


なぜだかわからないけど
ずっと前から思っている


それを思い出させてくれました

『芝木好子』


好きな作家になりました




* 装画は『小倉遊亀
今わかりました!