千姫のひとりごと

千姫の日々の気づきや想いを「ひとりごと」として綴っています。目に留めて頂ければ、これも何かのご縁・・・

あの世この世


大きな大きなお屋敷の中

広い居間のソファに座っていた


目の前にはベージュの壁


ふと見ると亀裂が突然入った


そしてその亀裂は丸く円を描き
壁がパカッと開いた


穴はトンネルのようだった


そのとき

なんだか向こうから押し出てくるもの有り


女の子の頭だった


首だけが飛び出し目がこちらを向いた


ぎょ?

な・なに?


『どこからきたの?』


女の子はニコッと笑い

『○×県△□市#%*・・・』


聞いたことの無い地名だったので
もう一度聞き返した


『どこから来たの?』

『○×県△□市#%*・・・』


『それって日本?』

女の子は首を横に振った


『じゃ お空の上?』

やはり首は横に振った


『ここの地?』

こんどは縦に首を振った


そして
みるみる間に頭がトンネルに吸い寄せられ


見えなくなった


『なんなのよ・・・』



ふと横を見ると隣が何だか騒々しい


扉を開き外に出ると

そこは大きな庭

広く広く芝の庭が広がっていた


その向こうでパーティ?


着飾った女性たちがたくさんいた


近づいていくと

大きな段ボール箱があり
その中には色とりどりのハンドバック


その横で特別目をひく女性が一人


後頭部を高く結い上げ
華やかなアンティークドレスを着て
ソファにゆったりと座っていた


そして私を見つけるなり

その箱の中から取り出した
ひとつのバックを私に手渡してきたのです


『完成しましたわ』


私はそのバックをゆっくり見ました


大きなバックです


色は表は紫色で
裏を向けるとピンク

その両サイドにポケットがあり


そこを開けると
中から鮮やかな青色のポーチが出てきました

そのポーチの素材が面白く
青色のクロコダイルの型押し牛革に
同じく青色のシフォンの生地が
フリルのように縫い目に挟み込まれていました


『かわいい!』

女性たちが集まってきました


もう片方のポケットには
緑とオレンジ色のコンビのポーチが入っていました


『すてき!』


まわりを取り囲む女性たちが私に話しかけます

私も答えようとしましたが


『あ、、、』

うまく言葉が出ません


どうやら私は障害を持っているようでした


周囲の様子から察すると

その高貴な女性は私の妹で
バックの製造会社を経営しており

そのバックのデザインは私がしていました


他のバックのデザインも確認しようとした

そのとき


地面からパチパチと音が・・


ふと左下の芝を見ると

芝が円く焦げだしています


中心部に赤く火の元を感じました


火事?


『か・・じ・・』


周囲に知らせようと必死でした


『か・・じ・・』


上手く声が出ません


少しずつ焦げ目の部分が広がっていきます


私は身振り手振りで必死に伝えようとしました


そのとき聞こえてきたのが

あのオトでした


不動明王様のご真言です


燃やせということ?

そうですか・・


じゃ


ノウマク サンマンダ バサラダン
センダンマカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン


なんということでしょう

声がスムーズに出るではありませんか


大きな声でご真言を唱え始めました


ノウマク サンマンダ バサラダン
センダンマカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン


真言は周りの山々に共鳴して
ますます大きな音で鳴り続けます


ノウマク サンマンダ バサラダン
センダンマカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン

ノウマク サンマンダ バサラダン
センダンマカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン



フッと我に返ったように目覚めたのです


またしても夢でした


布団はグチャグチャ

起き抜けの姿はまるで・・・