千姫のひとりごと

千姫の日々の気づきや想いを「ひとりごと」として綴っています。目に留めて頂ければ、これも何かのご縁・・・

16才


16歳の夏休み

新聞販売店での事務手伝い

時給200円のバイトで得たお金で初めて買ったのは

油絵具セットとイーゼルと15号キャンバス


誰に教わったでもなく

初めて描いた絵がコレ


大好きだったルノアールの模写だった


これでも一生懸命描いたんだ


当初は周囲の観劇客の様子も描いていました


ちなみ本物はコレ


描く気満々で始まった高校生時代

しかし

結局描いたのは

このF15号とF6のリンゴの絵のみでした


このタッチと色で描いたリンゴの絵を
学校の美術の先生に見て頂いたところ

その場で大きな筆に赤絵具をとり

私の描いたリンゴに

『こうやればいいのよ』『ねぇ?』と

大胆に描き直されてしまった


私はその時のショックを忘れない


世間でいう出来の良し悪しより

その先生の傲慢でデリカシーの無さに腹が立った

自分が殺されるような気持ちになった


それで高校生時代は絵を描くのが嫌になった


卒業後

自宅を離れ就職したが体調を壊し
再び実家に戻った

家で塞ぎ込んでいた私に
父が絵を描いたら?と言い


現在も所属している絵画団体の地域初代支部

S先生(故)の元へ弟子入りのお願いに行った


『今まで描いた絵の中で一番大きなものを持って来なさい』


いちばんもなにも
この絵しか持っていなかった


おそるおそるS先生の前に絵を差し出すと

『良いですね』
『ところでどういうところを描いたのですか?』


『・・・・』

S先生はルノアールの模写とお気づきにならず

私もアワアワ。。。


『高校時代の勉強で模写のつもりです。。。』


『いいですよ』
『この顔の前あたりを黒くしなさい』
『そうすれば顔が際立ちますからね』

そう言われて

自宅に持ち帰り黒で処理をしました


『私は弟子をとらないけど
 みんなで絵を勉強している場所があるから
 そこへ来なさい』


絵のキャリアもゼロに等しい

そんなへっぽっこな私にも

水平なところから教えて下さったS先生に

導かれて約35年−か


まだまだ歩くつもりです

よちよちですが。。。。