千姫のひとりごと

千姫の日々の気づきや想いを「ひとりごと」として綴っています。目に留めて頂ければ、これも何かのご縁・・・

タイトル

先日から
『タイトル』について考えている

私の場合は主に画題

仲間内での絵の勉強会で
Yさんがサリーを着た娘の絵を描いている

絵だけを見たら
日本人がインドのサリーを纏っているのは
なんだかおかしなシチュエーションだ

私が何の気なしに
絵の構成上
『インド人に変えてみたら?』って言ったら
彼女は考え込んでしまった

その時に側にいらしたF先生が
『自分の娘だから一生懸命描けるんやろ?』

そうおっしゃった

私はその時に
『ああそうなんだ』

そう思った

作者の想いを無視していました

そのときにあらためて
『タイトル』の重要性を感じたのです


そして昨夜

何気なしに
昨年のある展覧会のHP

主な作品の数点を観ていた

画題を見てからクリックする

そこで気づいたのが

H先生の作品『春雪』


昨年
実際に展覧会場で観たときには
気づかなかった


建物があって
雪が残っていて
人物がいて

洗練された空気の中での
美しい画面を見ていただけだった

その日私は
画題を見てはいたと思うが
心に落としていなかった

そうだったんだ

この絵の主人公は
この建物でも雪でも無い

この片すみにいる2人だったのですね

そう感じた瞬間から
絵の中のふたりが動き出しました

建物は東京駅

春の旅立ち

信号の赤で立ち止まる間にも
時間を惜しむかのように
なにかしら話しかけている男性

小さな女性はまっすぐ駅を見ている

これから先
始まる未来のことを考えている


そこに降る
やわらかな霙



恋人同士なのか

それとも
娘を見送るお父さんなのか―



風景画は映画のようにドラマを転じる



観る側の想像力不足でした




またひとつ
大切なメッセージを受けて
アンテナを磨く練習をしています(笑)