今年の日展会場で観て
すごいなって思った作品のひとつ
片岡世喜氏の『空』
http://www.nitten.or.jp/exhibition/01/1201.html
WEBページでは色が浅くなっているけど
とても深い色でした
川と釣り人をテーマに
毎年出品されていますが
近年になって
どんどん余計なモノがそぎ落とされ
モノの本質に迫る迫力が増してきました
目に見えるものは川面と舟に乗った釣り人だけ
しかし目に見えないモノたちが
いろんな角度から私の感覚を刺激してきます
左上の暗い部分は川辺の草木の影でしょうか?
それとも
少し曇っている空を反映しているのでしょうか?
その部分が天と川面の空間を感じさせてくれました
画面の下部右寄りにかけては
繊細な青の色調の変化により
川面の広がりと川底にかけての深さを感じました
釣り人の手元と釣竿の角度と浮きの様子から
糸に緊張感が走ります
クイッっと立つ浮きの下には魚の気配が、、、
まいりました
カタチある見える物の背後を
見事に表現されていると思いました
モノの本質
その本質は見えないのです
けれど確かにそこに在る
それが『空』ですね