きょう、来られた相談者
深刻な悩みを、次々に持ち出す
その話の内容は、実際の出来事ではなく
自分のなかで、どんどん進められた心配話
溜まっているものを、口から放出
聞いていると、この話は何処へ向かっているのか
事実より、話のほうが先に走って行っている
その時、彼女と目が合い
「・・・でしょう?」と相槌を求められた
私は、首をちょっとナナメに傾け上目遣いで
「×××○○○・・・」
そのとたんに、その場の空気が
ぽわ〜〜〜ん、となって
彼女は、もうそれ以上話を追求しなくなりました
と言うより、自分でもその話をするのは辛かった
それでも、止めることが出来なかった
私が、相槌を打つと、もっともっと話が進む
私は、とっても意外な答えを言ったのでした
彼女の想像を、ずーっと超えた
そして、それからは
私のスローなペースで、話をしていきました
私は、自分の若かった頃を思い出していました
絵を描き始めた頃、自分の絵に対する悩みを
スケッチに行く車の中で、先生に話していました
絵に対する話は、進んでいくと
その人の行き方や、哲学に及んできます
私は、難しい話を先生にぶつけていました
話は、どんどんどんどん幅を狭めていきます
その時
ずーっと、黙っていらっしゃったその先生が
運転中、ハンドル片手に
ポケットを、ごそごそしていたかと思うと
私に、何かを手渡そうとしました
「 飴、食べる?」
一瞬、私は 「 へっ?」と思いました
人が、必死で話をしているのに・・・
それでも、その差し出された黒飴を口に入れた時
何だか『 ホッ!!』としてしまいました
大きな飴を、口の中で転がしている間に
もう、いいわ・・・と思い
その後は、他愛も無い話に移っていきました
随分、経ってからです
あれが、先生の優しさだったと気づいたのは・・
あの時の光景が鮮明に甦ってきています
今、私に課されているものは
『 フッ 』と、和らぐ氣を置くこと
それが、目の前の相談者に必要・・・
そう、教えを戴いている今頃です