千姫のひとりごと

千姫の日々の気づきや想いを「ひとりごと」として綴っています。目に留めて頂ければ、これも何かのご縁・・・

本当の自分

その人は、いつも笑顔のステキな人です
ご夫婦、仲が良く
親の介護も、立派に努め
パートの仕事もこなしている

彼女は夫を愛し
夫も彼女を大切にしてくれる

厳しい姑にも
彼女は模範的な嫁

会社では
彼女の周囲の人達は
彼女の笑顔で支えられている

その人は、自分自身を
『とっても、しあわせ・・・』と言った

しかし、私の目の前で笑顔のその人は疲れていた
正確に言うと

自分が疲れているのを知らなかった

嫁いだ娘に
「あなたには、お母さんの様にはなって欲しくない」と言ったそうだ

「今、幸せなんでしょ?」との私の問いに
彼女は言葉を失ってしまった

「しあわせじゃ、なっかたんだ。私・・・」

その人は、自分の理想の夫婦を演じていた
自分の理想の親子関係を結んでいた
自分の理想の社会生活を生きていた

自分の理想の自分でいるために頑張り続けた

そして、前に一歩も進めなくなっていた

「実際の自分を出してもいいのよ」

本当の自分に出会った瞬間
その人から「スーッと」力が抜けた

「疲れたとき、疲れたと言っていいのよ」

その人は、自分が自分の理想の人として
他人に良く見てもらうために、今まで生きていた

今からは、そのままの自分を生きる・・・

そう決めた瞬間から
彼女の笑顔から、強張りが無くなった

娘に、自信を持って
「お母さんは、楽しんでいるよ」と言えるように

柔らかな気をまとって
その人は、帰っていかれました