真っ暗闇の中
車でひとり山間の道を走っていた
右へ曲がるカーブの先
視界に広がった真っ赤な炎
道の先は渋滞していた
山火事だ
私も車を止めた
後続の車も次々に停止する
前方の山火事は燃え広がり
私の方向まで迫ってきた
逃げ出す人々
後方の車もUターンをして
今来た道を戻ろうとしている
が
火が燃え移りどんどんと山を真っ赤に染めていった
天の暗闇と
私たちの周囲に広がる炎の海
車から出た私はひとり慌てる風でなく
静かに観察をしていた
炎になぜだか高揚していた
それが今朝の夢
不動明王の心境の目覚めだった