今日で4日目
私は私の進む道を模索していた
絵の話です
ある程度まで
筆は楽に進んでいた
今描いている階段のように
勢いつけて登り続け
ちょっと立ち止まっていた
そして目指すところは
もう一段高いところ
どうすればいいんだろう
そのとき
うしろを振り返ると
ひとりの男性が立っていた
なんと
顔の目の下からが暗緑色の樹脂製だった
表情が無かった
『誰?』
男性のギョロっとした目
その目に見憶えがあった
『Kちゃん?』
亡き私の弟
Kちゃんの目が笑おうと動いた
『生き返ったの?』
頷いた
私はKちゃんを連れて
我が家前の母の家に行った
『Kちゃん帰ってきたよ!』
母は不思議そうに私を見ている
『ほらココに!』
私はKちゃんを指差しながら叫んだ
・・・
母には見えていなかった
『見えないみたい・・』
Kちゃんは頷いた
『幽霊?』
Kちゃんは首を横に振った
『ずっと居れるの?』
またもや首を横に振る
『いつまで居れるの?』
その質問の答えは
私の心に直接響いてきた
『一週間』
一週間か・・・
Kちゃんは
白地に赤と青の横ストライプのTシャツを着ていた
目から下は樹脂製だけど
その他の身体は生きていた
Kちゃんが私の手を取った
とても温かかった
生きてる
手を繋いだと思ったら
私をいろんなところへ連れて行ってくれた
時間の無い世界のように
一瞬で世界が変わっていく
紙芝居のように
それでも時間はあった
2日目になった
またKちゃんが現れて私の手を繋いでくれた
あれ?
昨日より少し体温が下がった感じがした
その日も一日
いろんな風景や場面を私に見せてくれた
そして三日目
またKちゃんが現れ私の手を取ってくれた
やはり
また昨日より体温が下がった
・・・・・
そう思った瞬間
私の目が開く
夢だった
それが昨日の朝のこと
私は一度深く呼吸をした
三日目か・・・
あと4日間は居る
Kちゃんは私の傍に居る
昨日絵を描きながらそう思った
助けてくれている