千姫のひとりごと

千姫の日々の気づきや想いを「ひとりごと」として綴っています。目に留めて頂ければ、これも何かのご縁・・・

美の凝縮


先日観劇した七月大歌舞伎

播州皿屋敷』他の昼の部を思い出しながら

当日買った番附を眺めていた


そうしたら日に日に強くなってきたのよね

夜の部も観たいな〜って


行ってきました


演目

『車引き』と『伊勢音頭恋寝刃』


ストーリーというより

美しかった・・・の一言


『車引き』は30分位の短い演目だけど



舞台装置の豪華さ

豊富な音類

バラエティな衣装

役柄に応じた隈取化粧


そんな中での見得切りの数々


『柔』と『剛』の表現

『やんちゃ』『優美』『大きい』の役どころ


構図がとても面白かった



『伊勢音頭恋寝刃』は二幕七場の通し狂言

たくさんの出演者によって

いろんな歌舞伎の表現がぎっしり詰まった演目だった


とくに印象に残ったのは

『だんまり』の場面


伊勢二見が浦の場で

密書を奪う奪われまいの三人

仁左衛門さん(貢)が二人を取り押さえるまでの間

密書をひらひらさせて敵をかわすだんまりの立ちまわり


そして昇る朝日に翳して密書の宛名を読む姿


色気に溢れていた



二幕目の殺しの場も同じく


妖刀青江下坂に操られるかのように

貢は人を斬り続けていきます


最終場面での血まみれの殺し場面

残酷というより美しかった


流れるような立ちまわり


何かに憑かれたかのような

悲しい狂気


貢のまっ白な右頬を

相手の右手の人差指と中指の

二本の血のり線がスッと染めます


赤の鮮烈な印象


それは一服の絵を観ているようだった



やっぱり

仁左衛門さん


美しい〜♪